"ヴォルケーノサウンドここにあり"
ヴォルケーノ・サウンド・システムのトップDEEJAYであり、ジャマイカで最もハードなDEEJAYの一人であるBurro Banton(ブロ・バントン)の荒々しい声は、サウンドシステムがわずか数か月でトップに躍り出たひとつの要因でもある。
Burroはサウンドシステムの拠点であるキングストン西部のゲットー出身だ。彼の声はゲットーの声であり、ヴォルケーノはゲットーのサウンドそのものだ。
それは単なる偶然ではなく、意識的にBurroもヴォルケーノもその音楽的メッセージをゲットーの人々に向けている。Burroはまた、自分のルーツであるゲットーの観衆に対する深い恩義を公然と認めている。彼は地元の聴衆との交流の大切さを理解しており、'外国に行く'という考え、つまり急いで金を稼ぐために自分の芸術を堕落させ、自分のルーツを失うという考えが好きではない。
彼は自分のユニークな才能を本当に評価し、育ててくれる自分のルーツの観衆つまり世界最高峰のレゲエの観客と共にいることに満足している。
"そうだよな兄弟、セラシエは知っている、ジャーは知っている"
観衆は夜になると戻ってくる。ただ踊ったりはしゃいだりするだけではなく、今日や明日の悪と戦うために気持ちを奮い立たせる唯一の方法である儀式に参加するためでもある。
そしてBurroはその儀式の大司祭となる。彼の権威ある声、強い存在感、そして情熱的なパフォーマンスは、簡単に群衆を熱狂の状態に導く。 みんなBurroに声援を送る中、彼は観衆が完全に取り乱さないように気をつける必要がある。なぜならバビロン(抑圧的な権力)が監視していて、警察が急にイベントを終わらせるかもしれないからだ。
「落ち着け、ブラックピープル、落ち着け…」
Burroはまた、見ていて楽しいパフォーマーでもある。他の人よりも頭ひとつ背の高い彼はリズムに合わせてスカンクする。まるでシャーマンのように右手にマイクを持ちながら、左手はリズムに合わせてリズムカルな動きをする。リズムごとに異なる動きである。
そして歌詞が彼の口から次々と流れ出る。毎晩のように5時間は歌う。選曲は毎晩少しずつ違っていて、歌詞も少しずつ違う。そのフローはとても練習されているので、即興の演奏が可能であるだけでなく、必要かつ自然なものとなっている。